voiceソラマドに住む人たち
interview菅邸
菅邸 完成後インタビュー
新築感性×理論を大切にした、
自分たちに「似合う」家
菅 浩一朗さん(43)
真樹さん(44)
日和ちゃん(5)
大分市の中心部の住宅地の一角。
狭小・変形地でありながら、周囲の住宅とはちょっと異なる佇まいを見せる、菅邸。
楽天的で感性を大切にする奥様、冷静に物事を受け止める旦那様が、さまざまな縁やタイミングを経て手に入れた「我が家」は、ご夫婦それぞれの想いがいい塩梅(あんばい)に溶け合っています。
コンパクトながらもセンス、使い勝手ともに妥協のない家づくりで叶えた、新しい住まいについてお話を伺いました。
狭い土地でも快適でくつろげる家に
今日はよろしくお願いします!シックな外観が周囲の住宅とはテイストが異なっていて、目を引きますね。3階建てのご自宅、実際に完成してどうですか?
浩一郎さん 最初はそもそも「ここに家が建つの?」と思っていましたが、無事に完成しました。平家は無理だなって当初思っていたので2階か3階建てかの二択でしたが、敷地が広くないので3階建てで正解でした。
どのくらいの広さなのですか?
浩一郎さん 土地の面積は25坪くらいで、建物基礎の面積は13坪ぐらいですね。建物全体の延床面積は多分28坪ぐらいだったと思います。
狭小で変形した土地とは思えないくらい、室内は圧迫感がまったくないですね。ソラマドさんからの3階建ての提案を最初聞いたときは、奥様はどう感じましたか?
真樹さん 正直「3階建て」というのは想定外でした。「あ、そういう手があるんだ」って思いました。
浩一郎さん 僕は逆に地下にしたかったんです(笑)。でも予算とか条件とかね…もちろん早々に諦めましたが。
真樹さんは家事を日々行う中で家事導線的な点はどうですか?
真樹さん 最近のお家は、ワンフロアで家事がすべて行えるよう家事導線に気を配っているお家も多いじゃないですか?最初は3階ってどうなるんだろうって思っていましたけど、実際に暮らし始めたら全然問題ない、むしろ快適で。
うちは1階がランドリースペースで洗濯するところ、2階がキッチン、3階のバルコニーに洗濯ものを干す、というつくりなのですが、私的には家事のシーンごとにフロアが分かれていて、家事がやりやすいですね。その都度、家事に集中できる感じがして。
気持ちの切り替えができていいのかもしれませんね。
真樹さん ただ3階建て暮らしで気を付けるようになったのは忘れ物しないように!ってことですかね。1階に降りて「あ!忘れた!」って、3階まで行くことになるので(笑)。
「準防火地域の」ための大変さはあったけど、
立地・環境は最高の場所
施工前のインタビューにもありましたが、「準防火地域」というエリアのため、特別な設計をされたと聞きました。
浩一郎さん この辺の地域が、都市計画法で「準防火地域」というのにあたる場所で、耐火性能を求められる家に設計しなければならなくて。なので、家のガラス窓のほとんどが針金の入っているタイプにしました。
ただ金額的には普通のガラスよりも1.5〜2倍値段も高かったです。それと家が完成する最後の最後で、ガレージにどうしてもシャッターをつけなければいけないっていう行政からの指示があって。ガレージのシャッターも結構予算がかかりました。
真樹さん 車庫も「手動と電動、どっちにする?」って話になったんですよね。
浩一郎さん でも僕は、基本的に家が完成した後にいろいろお金がかかるのが嫌なタイプなので、もうここまで来たらケチらずに(笑)、電動にしようとなりました。
真樹さん 結果的に電動にしてよかったです。手動だったら開閉がやっぱり大変だろうなぁと。
なるほど。特殊な地域ならではの大変な面もあったんですね。しかし、このあたりは大分市の中心地ですし利便性はかなりよいのではないですか?
真樹さん ここに住む前は、主人の仕事で転勤もあったので「どこに住んでもそんなにかわらないだろう」って思っていたんですが、やっぱり違いますね。立地は本当にいいです。
大分駅からも近いですし、坂道もないし。幹線道路もすぐそばだけど、騒がしい感じもないですしいいですよね。
真樹さん 子どもがまだ小さいので、大分駅の近くでイベントとかやっていて気軽に遊びに行けるし、買い物も本当に困らないので。立地ってやっぱり大事なんだなって。子どもが大きくなっても、ここならどこに通学してもそんなに困らないんじゃないかなと思っています。
浩一郎さん ここを決めた大きな理由として立地の良さはありました。市内中心部にも近いし、高速道路のインターもすぐだし。あ、あと都町にも近いのも(笑)。
真樹さん それがココに決めた一番の決め手じゃないの?(笑)
結構、飲みには結構行かれるんですか?
浩一郎さん 今はコロナ禍なのであまり行かないですけど、行けるのであればすぐに行くタイプです。タクシー代がかからなくなったので「もう1件いけるぞ!」って感じです。
限られた空間に
「こんなのほしい」が詰まったリビング
リビングは変形的な四角ながらも、窮屈な感じもなく、くつろげるペースもしっかり確保できていますし、窓からも陽が入ってきていい感じですね。
浩一郎さん どうしても普通の真四角の家と違うので、家具とかの収まりが悪いデメリットな面もありますけど。3人で暮らすにはちょうどよいかもしれません。
真樹さん 生活していてあんまり困ることはないですね。リビングが北向きなので、窓がなかったらかなり暗かったと思うんです。なので窓をしっかりとってもらったてよかったです。
リビングの隣の本棚も上手に壁面を活用されたアイデアですね。
真樹さん 本棚にたくさん本がある家に、あこがれていたんです。
浩一郎さん 家具を置けるスペースがないので、僕が本棚を作りたかったのもあって設置してもらいました。
真樹さん まだまだイメージしている本がたっぷりある書棚には全然なっていないですが。
結構、本は読まれるんですか?
浩一郎さん いや、ほとんど読みません・・・(笑)。本棚にある本も、借りてるものも多いです。というか僕、ほとんど本を読まないのに本棚がほしかったんです(笑)。カッコいいじゃないですか。
大事ですよ、カタチから入るのも(笑)。家族それぞれで、本を今から増やすのが楽しみになりますね。あと、お家全体の収納面とかはどうですか?
真樹さん 収納はしっかりスペースがあって助かっています。家具を置かないぶん、最初から収納スペースをとっておいてよかったです。扉付きのクローゼットではなく、服をザーーって掛けるタイプではあるんですが、収納家具を買わなくても収まっているのでそれはよかったです。スペースが限られているので、ここに引っ越してくる前、かなり断捨離はしました。
浩一郎さん 断捨離ね、断捨離…(笑)。
え、なんか今、すごく微妙な空気を感じ取りましたが(笑)
真樹さん 「俺の服がない!」とか言って「捨てたんじゃない!?」とか言うんですよ!
浩一郎さん 俺の服が捨てられてる疑惑が、、、(笑)
真樹さん 勝手に捨てたりしないんですけどね〜。というか、家のどこに何があるってあんまり把握できてないだけなんだと。
浩一郎さん そうです、ほとんど把握してません(笑)。
真樹さん、えらい(笑)。
真樹さん 娘のほうが何がどこにあるとかわかってるかも。
浩一郎さん うちの女性ふたりとも、しっかりしているので(笑)。
それぞれの憧れをミックスしたキッチン
真樹さんがこだわったキッチンは、L型ではなくI型なんですね。あとステンレスキッチンもすごくシンプルでステキです。
真樹さん ステンレスのキッチンにずっと憧れていたので、満足しています。すごく使いやすいですし。
浩一郎さんのご希望だった「ボッシュ」の食洗機も見事に完備されましたね!
真樹さん でも食洗機の中に、1枚たりとも主人がお皿入れたことはないです(笑)。
浩一郎さん はい。ボタンすら触ったことないです。完全に見た目がカッコいいという理由です。
え!そうなんですか!?
浩一郎さん 僕は口だけ出しました(笑)。でも食洗機自体は、取り入れたいと思っていました。食器を手洗いしたあと、ずっと台所に置いてあるのがすっきりしなくてイヤなんです。って、皿洗いやらないくせにいろいろ言う、一番イヤなタイプです(笑)。
真樹さん ホントにね、困りものですが(笑)。私は最初、食洗機はなくてもいいかなって思っていましたが、やっぱりあったらすごく便利です。なので主人の希望を取り入れて結果的には良かったです。
キッチンの棚の部分も限られたスペースを上手に使われていますね。真樹さんのセンスの良さが伺えます。インテリアは、どういうふうに情報収集されますか?
真樹さん ソラマドの他のお家ってすごーーくオシャレじゃないですか?結構ホームページでソラマドファミリーのお家をチェックしたり、インスタとかでインテリアがステキなところとかは参考にします。
ただ、うちはキッチンも決して広くはないので、お皿とかもたくさん揃えるんじゃなくて、気に入ったものを大切に使ったりなるべく棚がごちゃごちゃしないよう、物は増やさないようにとは意識はしているかもしれません。
キッチンの棚の上のカゴとか、すごく可愛いしオシャレ。
浩一郎さん 僕はあの棚の上のカゴとかの良さはよくわかんないんですけどね(笑)。場所とるし、ちょっと斜めだし。丸かごじゃなくて四角ならいっぱい入るじゃん、とか。
まぁまぁ、そこは女性の楽しみですよね(と真樹さんと二人でうなづく)。お気に入りを探して飾る、っていうところが醍醐味ですよね。
真樹さん そうなんです。でも、いいんです、、台所にたつのはほとんど私なので(笑)。
浩一郎さん はい。そうです、僕はほとんど家事をしないので…。一応、口は出しますが反対はしませんので(笑)。ホントにいろいろやってくれているので。
感性と冷静さが溶け合って、
自分たちらしい答えをみつけた家づくり
土地探しから約1年ほどかかったという家づくり、全体的に振り返ってみるとどうでしたか?
浩一郎さん すごく楽しめました。とくに設計の段階でいろいろ決めるとき、あーだこーだと話しながらすすめさせてもらった時間は特に楽しませてもらいました。
真樹さん ソラマドさんからの提案を取り入れさせてもらった点も、もちろんたくさんありますが、私たちの案も取り入れていただいたし。
例えばどんな点を取り入れたのですか?
浩一郎さん キッチンも最初、パントリーのないL字型で、壁に付けたカタチのダイニングテーブルという提案をいただいたんです。あと、キッチンの場所も今のこのリビングのところだったんですよね。
真樹さん 北側になる外の景色をみながらキッチンできるような設計にしてくださってて。「キッチンから景色見ながら料理するなんてどうです?」みたいな感じで。奇抜な感じはありましたけど、最初聞いたとき、私は「いいんじゃない?」と、造士さんの意見に賛成だったんです。でも、旦那のほうが「どうなんやろう・・・?」みたいになって。
浩一郎さん いや「風景見るかな?」って思って。この(リビングの)窓からの貴重な景色が見えるところにキッチン置いたら、一番いい風景を家族みんなが共有できなくなるって思って。
旦那さん、冷静ですね〜。
真樹さん 私が「あ~すごいオシャレやん、いいやん」みたいになるタイプなので(笑)
浩一郎さん こっちが結構すぐ「いいですね」って言っちゃうから僕が「ちょっと待って!」ってなっちゃいますね。で、結果的に話し合って、やっぱり眺めのいい場所はリビングにして、キッチンもI型にしてパントリーも付ける方向にしてもらいました。
他にも議論を重ねた場所はありますか?
浩一郎さん 階段も最初は螺旋(らせん)階段を提案されたんです。でも僕、絶対嫌ですって言いました・・・(笑)。
それはまたなぜ?
浩一郎さん すごくオシャレだなとは思ったんですけど、荷物を運ぶのも大変だし、それこそ大きな家電を運ぶのも絶対大変だってすぐ思ったんです。やっぱり3階建てで毎日通る部分だし。僕の場合は、年をとってからのこととか、使い勝手のことも考えました。
プロからの提案は一度それはそれで受け止めて、ちゃんと1度自分で内容を揉む。やっぱりすごく冷静というか合理的。男性ならではの着眼点ですね。
真樹さん 家づくりってつい楽しくなっちゃって、テンションが上がってしまいましたが、旦那の意見を聞くと「そうだよね、確かに」って冷静になれることもありました。
浩一郎さん せっかく念願の家をつくるのであれば、家を建てる段階できちんとしておきたい、っていうのはあったので。僕たちの提案も、ソラマドさんにはお伝えしながら、家づくりをすすめてもらえました。
今後、お家に取り入れようとか、やってみたいことなどはありますか?
真樹さん そろそろ外に植栽を植えようとしていているんですけど・・・。
浩一郎さん これまた意見が割れてるんです(笑)。
真樹さん オリーブとかユーカリとか、結構今っぽいというかオシャレなのにしたいんですけど。旦那はなるべく木の葉が散らないとか、手入れがラクで大きなものをっていうんですよね。面白くない(笑)。
浩一郎さんらしい意見ですね(笑)。真樹さんはちょっとチャレンジして雰囲気を楽しみたいというか。
真樹さん そうなんですよ。ホント、ここは今、ソラマドさんとも含めて話し合い中です。
それもまたソラマドさんと一緒に、お話ししてお互いの意見をふまえたいい着地点がみつかるといいですね(笑)。おふたりとも、本当にタイプが全然違って面白い(笑)。でも結局すべて、お互い納得いくようになっているから不思議です。
真樹さん ずっとこんな感じで(笑)。でも、これからも家を少しずつ「我が家」っぽい感じに仕上げていきたいと思っています。
~編集後記~
「話し合う」「主張しあう」って大切です。
物事を溜め込んで我慢したら、大体いい方向にいかないものだから。
もちろん意見が異なるって、それなりにストレスもかかる場合もありますが
考えが違うからこそ話し合う、その積み重ねこそが、自分たちらしい豊かな日常へとつながっていくのではないでしょうか?
インスピレーションや感覚を大切にしている真樹さん。
そんな真樹さんの意見を否定するのではなく、「ちょっと一度立ち止まって考えてみませんか?」と、冷静に疑問を投げかける浩一郎さん。
それぞれの主張は違えど、なぜだかイヤなムードを感じさせないのは、きっとお互いに最終的には認め合っている部分がちゃんとあるからなんだろうなぁと。そしてお二人の話をきいていると、失礼ながら面白くて・・・ほほえましい気持ちになりました。
家づくりはいろんなハードルがあるし、意見が異なるのも当然。
話してバランスをとって、ゴールを1つずつ見つけて、「我が家」を創造する。
菅さんご夫妻のお話を通じて、改めて「話すこと」の大切さを感じました。
新たな「住まい」というステージで、これからもいろんなストーリーを紡いでいってくださいね。
──この記事を書いた人
ライター/清祐 智絵
大分県大分市在住。媒体を問わずさまざまなジャンルの取材・執筆活動を行う。一児の母。インタビューを通じて、ソラマドの家のオリジナリティあふれる家づくりで生まれたエピソードや、それぞれの家族の暮らし方の取材をとおして「ソラマドに住む」人たちのストーリーを綴っている。