voiceソラマドに住む人たち
interview吉川邸
吉川邸 完成後インタビュー
新築まだまだ「ワクワク」加速中の家
吉川貴明(よしかわたかあき)
恵(めぐみ)さん
央将(おおすけ)くん
2019年に桜が見える家に住まわれた吉川ファミリー。春には満開の桜を家にいながら見ることができる眺望の素晴らしい家を建てられました。
元々ソラマドの家に期待されていることがたくさんあった吉川さん。
今の暮らしを覗いてみました。
4年経って、経年変化も楽しめる家に
ご無沙汰しています。桜の見えるお家、ようやく来れました! 広さがちょうど良いですね。
貴明さんそうなんですよ。広すぎると掃除も大変だから、ちょうどいい広さなんですよ。
施工前のインタビューで「BBQがしたい」とおっしゃっていたことや住むだけの家は嫌だと話をしていたと思うんですが、実際住んでみてどうですか?
貴明さん想像以上ですね。
恵さん同じく快適に暮らしを楽しんでいます。
リビングの一枚窓が印象的ですね。春は桜が一望できますね。
貴明さん春はこの窓一面、真っピンクになります。そのためにこの窓にしたんですけど思っていた以上にキレイに見えます。桜がない時期でも四季の移り変わりを感じることができます。
恵さん屋上からの眺めも素敵ですよ。コロナ禍になってからは、家でお花見をしていましたね。
この家で春を迎えたのは何回目ですか?
貴明さん何ターンしたかな?2019年2月にここに越してきたので4回目ですね。
この景色に飽きることは?
貴明さんないですねー。毎年どんどん楽しみになっています。
恵さん桜の咲く時期が毎年微妙に違うので、それを待つのも楽しみです。
もう4年目ですか、早いですね。以前のインタビューでは「経年変化を楽しみたい」というお話だったんですけど、実際どうですか?
貴明さんだんだん経年変化を感じています。わんぱく坊主がいるので、杉材の床なんてまさに経年変化しています(笑)。引っ越した初日にミニカーを床に落としてボコッと穴が開きました。それであきらめました(笑)。逆に昔の学校の廊下みたいなツヤ感が出てきて、だんだん良い感じになってきているような感じがします。むしろちょっと硬い材質でずっと何十年もそのままの床よりは、楽しみを感じられるかもしれません。
風合いが感じられて良いですね。他に経年変化してるところはありますか?
貴明さん基本的にはないですね。壁は本当に綺麗なままです。珪藻土にしてもらったんですけどいいですね。家を2、3日あけてから帰ってくると、まだ新築の頃と同じ木の匂いがします。
恵さんキッチンの周りも色や汚れもつきにくいですね。
貴明さんそうそう。でもね子どもはガンガン壁を蹴るし、入居してすぐ家の中の壁に黄色い蛍光ペンでバーっと線を引いたりして…。ここです!
確かに。うっすらありますね(笑)。
貴明さんこれ、住み始めて3日目でやられたんですよ。黒じゃなくて良かった。
恵さん黒もされたよ。
貴明さんあ、黒もされたな(笑)。
思い出ですね(笑)。
貴明さんそうそう。そういう意味での経年変化も含めて楽しめています。雰囲気とか空気感が毎年素材によって変わってくる。
大きい窓がコミュニケーションツール
大きい窓をつけると手入れが大変と思われる方が多いと思うんですけど、どう対応されてますか?
貴明さん簡単です。ハンズマンに行って一日歩いたら、絶対にピッタリの道具が出てくる(笑)。
確かな品揃え(笑)。しかしこの窓、どうやって拭いてるんですか?
貴明さん5mの棒でやってます。いろいろ試行錯誤したんですけど、一番のやり方は、最初にワイパーがついている部分にタオルをつけて拭いて、次にマイクロファイバーの乾いたタオルでゴシゴシと拭くんです。結構キレイになるんですよ。
めっちゃ綺麗です。
貴明さんなので、窓はこの方法でクリアできます。
まるで窓がないみたいですね。当初からこのプランだったんですか?
貴明さんいえ、実は一番最初の設計では小窓が3個くらいついてたのかな?それから一枚大きい窓が欲しいなと思って、設計士のダイスケさんにお伺い立ててみたら、ダイスケさんから「それなら大窓を2枚つけちゃいます?」みたいな話になって。大正解でしたね。
空間の広がりが全然違いますね。
貴明さん敷地自体は小さいんですけど目線が抜けるので、あまり圧迫感がないんですよね。目線って結構重要だな、と住んでみて思いますね。
今のガラスって向こうから見えないことが多いですしね。
貴明さんそうそう、意外に見えていない。
窓掃除は結構まめにされてるんですか?
貴明さんいやいや、年に1回か2回です。全然苦にならない。ただやってる時は近所の人が「何やってんだろう」って見てきます(笑)。すごく長い棒を持ってますからね。棒を動かしながら「こんにちはー」って挨拶してます。
5mですもんね、目立ちそうだし声もかけられそうですね。
貴明さん散歩中のおじいちゃんは横に来て「はー、今はこんな便利なもんがあるんやね」っていうから「やってみます?」みたいな会話が始まったり。結構コミュニケーションのツールにもなってます(笑)。
住み始めてから、ご近所さんが見にこられたり声かけられたりしたんじゃないんですか?
貴明さんええ。ご近所さんは、いい人ばっかりです。
恵さん本当にそう思う。
この辺は昔から住んでる方がきっと多いですよね。
貴明さんおじいちゃん、おばあちゃんは多いですね。
掃除の時以外にも何か交流があったりするんですか?
恵さん息子が外で遊ぶのが好きなので、おかげで見守ってくれたりしています。お友達っていうか、おばあちゃんが「私のちっちゃい彼氏」とか言ってくれて本当にありがたいです。
街なかにも高齢化しているコミュニティってやっぱりあるんだなぁって思いますよね。そこに新しい風が入ってくるのは良いことですね。
貴明さんこの辺りは何十年も小さい子どもがいなかった地区だったようです。自分らが突然ポンっと家を建てて驚かれたと思います。でも最近は結構人気のエリアなんです。新しい家が増えてきて、やっぱり周りのお年寄りの方々は喜んでくれますよね。
立地や周りの環境が暮らしや育児をサポートしてくれる
立地面では崖条例で苦労された一面もありましたね。この条例でこの土地を先に買おうとしていた人が断念したとも聞きました。
貴明さん造士さんが崖条例をクリアする前に「絶対大丈夫やけんこの土地を買っとき」って背中を押してくれたんですよね。
すごいですね。賭けですよね。
貴明さんダメな時は畑でもしようかなって思ってました(笑)。
貴明さん、そういえばまだ単身赴任をされていると聞きましたが。
貴明さんそうなんです。なので今はまだ週末にこっちの家に帰ってくる感じです。よく僕みたいに単身赴任の人達は「家に帰る」っていうじゃないですか? 僕の感覚では「家に遊びにいく」って感じです(笑)。金曜日は帰りがけにいろんな食材を買って家に戻ります。そして土曜日の朝、コーヒー飲みながら屋上でBBQのセットして、子どもと遊んで、夕方火をつけてBBQ開始ってスケジュールです。
恵さんもうこのスタイルが定番化していて、めっちゃ楽しんでます。
奥様、平日は央将くんと2人暮らしですよね。育児って大変だと思うんですけど、家が快適なので負担は減りましたか?
恵さんそうですね。夏休みとか長期休暇の時は結構大変ですが、すぐ前が公園なんで助かってます。朝と夕方とこっちの公園行ったり、あっちの公園に行ったり…。
男の子にはピッタリの立地ですね。
恵さん最近は子どものエネルギーに追いつけなくて(笑)。
小学生になったら結構疲れて帰ってきますよ。
恵さんそれを期待しています(笑)。
でも、街なかにいながら自然が近いってとってもお得な気がします。
恵さんそうなんですよ!下の玄関に飾っている花も息子が摘んできたんです。カブトムシの幼虫も育ててます。公園を自分の敷地みたいに行き来してます(笑)。
子どもさんもこの土地に慣れて楽しんでるみたいですが、これからさらに家に期待することはありますか?
貴明さん住めば住むほど家でやりたいことは増えてますね。建てる前は屋上でBBQとか、プロジェクターで映画を見たいとかそれくらいしかやりたいことリストにのせてなかったんですけど、住んでみたら想像以上にできることが多いなと感じてます。駐車場の隅っこに薪窯を置いてみたいとか、いろんなことに挑戦したいですね。
恵さん私もこっそり家の敷地のすみにハーブを植えてます。
さらにやりたいことが見つかるって理想ですね。ハーブ、見ました。ちょこんと生えてて可愛かったです。貴明さんの窯って、ピザ窯とかですか?
貴明さんそうそう。こんな発想もマンションだったらできませんよね。でも戸建てだと可能性が広がってくる。敷地の一坪でさえ無駄にしたくないみたいな、そういう想いが強くなっていく感じです。
やりたいことがたくさんあって時間が追いつかないって方が悩みなんじゃないですか?
貴明さん追いつかないですね〜。
恵さん土日しかいないからね〜(笑)。息子よりはしゃいでますよ。
あえて夕陽が美しい西側を意識した設計
貴明さんずっと思っていたことなんですけど、大分の方角って、朝日よりも西側に沈む夕陽の方がきれいだなぁって。だから由布岳と鶴見山の間に沈んでいく西側の景色が見れるところに住みたいと思ってたんですよ。そこは家を造るうえでは譲れないポイントのひとつでした。家って陽あたりの関係で東向きに建てるのがセオリーじゃないですか?
確かに。方角は東南を重要視しますよね?
貴明さん自分はどちらかというと西向きの方が良くて。まぁ当然日当たりとかも大事なんですけど、西向きというポイントは自分の中にずっとありました。
もしかしてここの屋上から夕陽が望めるんですか?
貴明さんはい!そのための西向きですから。昨日雨が降ったので今日はとてもきれいな夕陽が見れると思います。もうビールを冷やして準備しています(笑)。
恵さん「ゴールデンタイムきた!」って、みんなで屋上に上がります。
夕陽が沈んでいく空の色が美しい時間帯のこと、「マジックアワー」でしたっけ?
恵さんそれです。マジックアワーが見れます。
日本の夏の夕方とか最高ですよね。
貴明さん最高!ひぐらしが鳴いて、ビールがすすむんですよ、これが。
恵さん陽が落ち始めると暑さが和らいで…。しかもこのエリア、ちょっと涼しくなるんですよね。山の風がおりてきます。
駅や市内中心地も近くて、自然のすぐそばにあって。理想型ですね。
貴明さん一番最初にビジュアルボードを作ったんですけど、できるできないは別として、やりたいことを全部書いてくださいと言われたんです。だから僕はこう書きました。 「都会で駅の中心部で土地が安くて三方家がなくて、山があって海が見えて」。なんでも書いていいって言うから書いたんですよ。
そしたらダイスケさんが「吉川さん、こんなのできるわけないじゃないですか(笑)」と笑いながら言うんです。「えっ、なんでも書いていいって言ったやん(笑)」みたいな話でね。まさか僕も全部が叶うなんて思ってなかったけど、結果、全部実現したんですよ。本当に感謝しています。
ほとんど不満がなさそうですよね。普通皆さん何年かすると「あーすればよかった、こうすればよかった」ってあるって聞きますけど。
貴明さんないんです。強いて言えば、もうちょっとコンセントを増やしておけばよかったかな。コンセントだけはね、ケチったらダメですよ、やっぱり延長コードがいる場所って後々出てくるから。
お子さんはどうですか? 気に入ってくれてますか?
貴明さん落書きをしたとしても、将来は彼のものになるから「書いてもいいけど、お前のものになるからな」って言ってます。まだそのことが分かるまではもうちょっと先かな〜(笑)。
このお家は彼にとっても資産ですよね。
貴明さん将来ここに住んで欲しいわけでもないけど、彼の人生の中で少なくとも役には立つものになるかなと思っているんですよ。つぶしがきけばいいなって、どうにでもできるって意味でね。ただ息子には、絶対譲りたくないものがあるような信念を持った人間に育ってもらいたいですね。家づくりで私たちがそうしてきたように、息子にもこの家の良さが分かるようになってもらいたいっていうのはありますね。
ワクワクできる体験に価値を求める
もしこの土地が見つからなかったら、マンションという選択肢はあったんでしたっけ?
貴明さん中心地には住みたいと思ってましたね。だからマンションという選択がないわけではなかったんです。でもマンションにしたら、まずBBQはできない。子どもが走り回るから下の人に気を使わないといけないってなると、やりたいことができないというストレスの方が大きかっただろうなと思って。
集合住宅だとどうしても制限がありますからね。
貴明さんせっかくアパートから出て家を建てるのに、アパート仕様の家には絶対したくなかったんですよ。生活動線とかきっと機能的だろうし、他の住宅メーカーさんも利便性にこだわって設計をしているとは思うんですけど、そこに幸せの度合いを図るものがない気がするんですよね。
機能面や利便性を優先すると遊べない部分って出てきそうですよね。
貴明さん住宅に限らずですが世の中、機能的なものであふれていますよね。ソラマドの家の考え方は住みやすさはもちろんですが、まず「楽しさ」を優先してるじゃないですか。それは僕の考え方ともリンクしたんです。これからの時代は、そんなことが一番大事じゃないんかな? と思うんですよね。
不便さをあえて楽しむくらいの暮らし方がいいですよね。
貴明さん帰ってお風呂入ってご飯食べて寝て、次の日また仕事に行って…。その時間を過ごすためだけの箱なら別にアパートでもいいじゃないですか。物を所有することにこだわる人もいるのかもしれないですけど、どうせ所有するなら面白いものがいいなぁ、と。それは本当に造士さんとダイスケさんと、ドンピシャで意気投合しましたね。
楽しむための家を受け身でなく、一緒に作っていく感覚ですよね。
恵さんまさにそんな感じです。だから今でも暮らしてて楽しいんです。
貴明さん陳腐な言葉かもしれないですけど、大人になってワクワクするって、ないじゃないですか。でもあるんですよね、ソラマドの家と一緒に考えて建てた家には、その「ワクワク」の要素が。建てる前に思ってたよりも、想像を絶するくらい幸せ感がここにはあるんです。
いろいろ話していたら、マジックアワーの時間がきそうですね。
貴明さん・恵さんおお!火を起こして、ビールで乾杯しなくちゃ!
編集後記
施工前のインタビューで「家が完成したら何がしたいですか?」とよく質問させていただきます。バーベキューをしたい、友達を呼びたい、と答えられる施主さんが多いです。アパートだったらできないことといえば、まずそれが思い浮かぶと思います。
実際に暮らしてみると想像に及ばなかったやりたいことが次々と思い浮かんでくる、まさに吉川ファミリーはそのようです。4年経った今でもやりたいことを見つけられるって素晴らしいです。
実際に暮らす拠点は変わっても、時間の流れは変わらないもの。平等に朝がやってきて夜がやってくる。
仕事に行かなくてはいけないし、家事や育児に追われる日々は変わらない。疲れることももちろんあります。
庭を作りたい、窯を作りたい、そうは言っても時間が足りない。であればゆっくりとその楽しみを想像しながら「いつか」のための準備を家族でしていくのもありなのでは。
慌ただしい現代に生きていると、ショートカットキーを何個も求めてしまいがちです。
今ですらこんな世の中なのに、子どもたちが大人になったらどんな時代になっているのでしょう。
想像もつかない未来だからこそ、家では効率よりも「遠回り」を一緒に楽しんでほしい。
吉川夫妻は「ワクワクできる体験」こそ、将来子どもにとって人生の糧になることを知っているのだと思います。大人ももっとワクワクしなくちゃ!そう教えてくれた今回のインタビューでした。
──この記事を書いた人
ライター/青木貴絵
大分県臼杵市在住。一児の母。さまざまな媒体の取材をするなかで、ソラマドの家と出会い、施主様の施工前と施工後のインタビューを担当する。インタビューを通して、オリジナリティあふれる家づくりやソラマドの家での暮らし方にフォーカスしていく。同じものが1つとない【スペシャルな家づくり】のストーリーをライターの目線と同時に、妻・母・主婦目線で文章に落とし込んでいる。